2017.01.23 Monday

スポンサーサイト

0

    一定期間更新がないため広告を表示しています

    2016.03.09 Wednesday

    エピソード40/まぐれ!?

    0

      俊之「こんばんは〜」

       

      俊之がいつもの様にバイトを終えてから、絵美の家へやって来た。

       

      絵美「いらっしゃい」

       

      絵美もいつもの様に出迎えに来る。

       

      二人はそのまま絵美の部屋へと向かう。

       

      リビングの脇を通る時に、絵美の母がリビングの戸を開けた。

       

      俊之「こんばんは」

       

      絵美の母「こんばんは。俊君、ちょっといいかしら!?」

       

      俊之だけ絵美の母に呼び止められる。

       

      俊之「先に行っていて」

       

      絵美「うん」

       

      絵美は一人で先に自室へと行く。

       

      俊之がリビングに入る。

       

      絵美の母がリビングの戸を閉めた。

       

      俊之「こんばんは」

       

      絵美の父「こんばんは」

       

      俊之が絵美の父の対面に座った。

       

      そして俊之の右の側に絵美の母が座る。

       

      絵美の母「絵美の成績の事なんだけど」

       

      俊之「はい」

       

      絵美の母「中間テストは、やっぱり、まぐれだったのかしら!?」

       

      俊之「あはは」

       

      絵美の父「何が可笑しいんだ!?」

       

      俊之「いえ。まぐれと言えば、まぐれなのかもしれませんけど」

       

      絵美の母「けどって、まだ何かあるのかしら!?」

       

      俊之「中間テストの後から、絵美の友達も一緒に勉強をする事が増えてきたんですよ」

       

      絵美の母「その話は、ちょくちょく聞いているけど。由佳ちゃんと木綿子ちゃんでしょ」

       

      俊之「はい。それで、絵美は佐藤と長谷川が居ると、しゃべってばかりいるから」

       

      絵美の母「あら、やだ。あの子ったら」

       

      俊之「それで、その分は成績が下がったってだけだと思います」

       

      絵美の母「そういう事だったのね」

       

      絵美の父「絵美にも困ったもんだ」

       

      俊之「結構、面白いですよ」

       

      絵美の母「何が?」

       

      俊之「佐藤と長谷川は絵美の相手を適当にしながらも、ちゃんと勉強をしているんですよ」

       

      絵美の母「それで?」

       

      俊之「だから、傍から見ていると、まるで絵美が一人でしゃべっているみたいで」

       

      絵美の母「本当に困った子ね」

       

      俊之「絵美って本当に勉強は嫌いみたいですね」

       

      絵美の父「ははは。それを言われると、私はちょっと肩身が狭くなるよ」

       

      絵美の母「絵美のそういうところは、あなたに似たみたいね」

       

      俊之「そうなんですか!?」

       

      絵美の父「私も中高生くらいの頃は勉強が大嫌いだったんだよ」

       

      俊之「へぇ〜」

       

      絵美の父「それでも、私は将来の事を考え始めた頃からは、一応の勉強はしたんだよ」

       

      俊之「絵美も少しずつ将来の事を考え始めているみたいですけど」

       

      絵美の母「そうなの!?それって俊君との事じゃなくて!?」

       

      俊之「はい。仕事の事とか」

       

      絵美の父「ほう〜。そうなのか」

       

      俊之「でも、絵美は他に話し相手がいると駄目みたいですね」

       

      絵美の母「じゃあ、絵美は全然、勉強をしていないのかしら!?」

       

      俊之「いえ。俺と二人きりの時は、ちゃんと勉強をしている様に見えますよ」

       

      絵美の母「そうなのね。それじゃ、どうしたもんかしら」

       

      俊之「どうかしたんですか?」

       

      絵美の母「いえね。絵美が勉強をサボっているんだったら、お小遣いを減らそうかと思っていたんだけどね」

       

      俊之「そんな事はしない方がいいですよ」

       

      絵美の母「そうなの!?」

       

      俊之「絵美は佐藤と長谷川が居ると、しゃべってばかりだけど、本人は勉強をしているつもりらしいんです」

       

      絵美の父「そうなのか」

       

      俊之「それに、今のままでも何とか100番以内はキープが出来ると思うし、それだったら以前に比べれば、全然、マシじゃないですか」

       

      絵美の母「マシってあんた。本当、俊君ははっきりものを言うわね」

       

      絵美の父「あはは」

       

      俊之「すみません。でも、今、絵美が小遣いを減らされたりなんかしたら、余計に勉強が嫌いになっちゃうんじゃないかって」

       

      絵美の母「それは、そうかもしれないわ」

       

      俊之「だから、中間テストの事は、まぐれって事でいいんじゃないのかな」

       

      絵美の母「そうね。俊君、どうもありがとうね」

       

      俊之「いえいえ。それじゃ、俺の方からも少しだけいいですか?」

       

      絵美の母「何かしら?」

       

      俊之「隆行の事なんですけど」

       

      絵美の母「隆行が何かしたの?」

       

      俊之「はい。期末テストで9番だったらしいですよ」

       

      絵美の母「あら、あの子ったら、すごいじゃない」

       

      絵美の父「隆行も頑張ったんだな〜」

       

      絵美の母「隆行は私に似たみたいね」

       

      絵美の父「ははは」

       

      絵美の母「でも、あの子ったら何にも言わないで」

       

      俊之「俺も今日、隆行からメールが来ていて知ったんですけど」

       

      絵美の母「そうなんだ」

       

      俊之「それで今日、隆行は出掛けているでしょ!?」

       

      絵美の母「そう。今日、学校から帰って来て、すぐに出掛けちゃったのよね」

       

      俊之「隆行、今日、彼女とデートをしているみたいですよ」

       

      絵美の母「あら、そうなの!?」

       

      絵美の父「隆行にも彼女がいるのか!?」

       

      俊之「そうみたいですね」

       

      絵美の母「俊君はいつから知っていたの?」

       

      俊之「俺は夏休みに釣りに行った時に、ちょっと話を聞いて」

       

      絵美の父「あの時、そんな話をしていたのか」

       

      俊之「それから、ちょくちょく話を聞かせて貰っていたんですけどね」

       

      絵美の母「あの子ったら、私達には何も言わないで」

       

      俊之「いいじゃないですか。それで今度、クリスマスパーティーをウチでやるでしょ。その時に隆行、彼女を連れて来るって言っていましたから」

       

      絵美の母「そうなんだ」

       

      俊之「結構、可愛らしい子ですよ」

       

      絵美の母「俊君は会った事があるの?」

       

      俊之「この間、バイトの帰りに、隆行が彼女を連れて歩いていたところをばったり」

       

      絵美の父「そうか。隆行にも彼女がね〜」

       

      俊之「俺からしたら、羨ましい話ですよ」

       

      絵美の母「何で?」

       

      俊之「俺は中学の時は彼女なんていませんでしたから」

       

      絵美の母「中学生だったら、当たり前じゃないの!?」

       

      俊之「当たり前と言えば、当たり前なのかもしれませんけど、いる人は中学から彼氏彼女がいますから」

       

      絵美の母「そういうもんなのね。それで隆行、いつ帰って来るのかしら?」

       

      俊之「もうすぐ帰って来るんじゃないですか!?」

       

      絵美の母「そう!?」

       

      俊之「夕飯デートらしいですから」

       

      絵美の母「じゃあ、隆行が帰って来たら、隆行に詳しく聞いた方が良さそうね」

       

      俊之「ははは。余り隆行を虐めないで下さいね」

       

      絵美の母「虐めるって、そんな事をする訳ないじゃない」

       

      俊之「男の子って恋愛の話とか、家族にするのは恥ずかしかったりもしますから」

       

      絵美の母「そうなの!?」

       

      絵美の父「そうだな」

       

      俊之「それで隆行は俺に話をしたんだろうし」

       

      絵美の母「なるほどね。それじゃ、程々にしておくわ」

       

      俊之「どっちみち、クリスマスの時に彼女には会えるんだし」

       

      絵美の母「そうね」

       

      俊之「それじゃ、俺は絵美と勉強をしてきます」

       

      そう言うと、俊之は立ち上がって絵美の部屋へと向かった。

       

      俊之が絵美の部屋の戸を開けて、絵美の部屋へ入る。

       

      絵美「長かったね。何の話をしていたの?」

       

      俊之「隆行の事」

       

      そう言いながら、俊之は絵美の対面に座った。

       

      絵美「そうなんだ」

       

      俊之「今度、クリスマスパーティーをウチでやるでしょ」

       

      絵美「うん」

       

      俊之「その時に隆行が彼女を連れて来るんだってさ」

       

      絵美「え!?本当に??」

       

      俊之「うん」

       

      絵美「隆行の奴、生意気〜」

       

      俊之「本当にそうだよな。俺達、高校生になってからだもんな」

       

      絵美「本当にそうよ。でも、隆行の彼女って、どんな子なんだろう?」

       

      俊之「結構、可愛らしい子だよ」

       

      絵美「え!?俊君、会った事があるの?」

       

      俊之「うん。一度だけばったり」

       

      絵美「そうなんだ」

       

      俊之「話もずっと聞いていたし」

       

      絵美「そうだったんだ〜」

       

      俊之「それじゃ、勉強をすっか」

       

      絵美「えー。もっと隆行の彼女の事を聞きたいな」

       

      俊之「いや、俺だって、そんなに詳しく知っている訳じゃないし」

       

      絵美「そうなんだ」

       

      俊之「どっちみち、クリスマスには会えるじゃん」

       

      絵美「分かった」

       

      二人はいつもの様に勉強を始める。

       

      そして幾らもしない内に隆行が帰って来た。

       

      隆行は暫く、リビングで両親と話をしてから、自室へと戻って来る。

       

      隆行が自室へと戻った音が絵美の部屋にも聞こえてきた。

       

      俊之「隆行、帰って来たみたいだ」

       

      絵美「そうだね」

       

      俊之「俺、ちょっと様子を見てくる」

       

      絵美「私も行こうかな」

       

      俊之「珍しいじゃん」

       

      絵美「だって、彼女の事を訊きたいじゃん」

       

      俊之「あはは。絵美が居たら、隆行は大した事は話さないと思うよ」

       

      絵美「そう!?でも、いいや」

       

      俊之「じゃあ、行こっか」

       

      絵美「うん」

       

      二人は絵美の部屋を出る。

       

      そして俊之が隆行の戸を開けた。

       

      俊之「おかえり」

       

      隆行「俊君、ただいまです」

       

      絵美「隆行〜」

       

      隆行「何だよ。姉貴まで」

       

      俊之「ちょっと入るよ」

       

      隆行「あ、はい」

       

      俊之と絵美は隆行の部屋に入った。

       

      そして隆行の対面に並んで座る。

       

      俊之「デートどうだった?」

       

      隆行「いきなり、それですか!?って、俊君、父さんと母さんに話をしちゃったでしょ」

       

      俊之「あはは。まあ、いいじゃねーか。どうせクリスマスに連れて来るんだろ」

       

      隆行「そうですけど。さっき、母さんに色々と訊かれちゃって」

       

      絵美「隆行、いつの間に彼女なんて作っているのよ」

       

      隆行「俊君、姉貴に何処まで話をしたんですか?」

       

      俊之「お父さんとお母さんに話をしたのと同じくらいだよ」

       

      隆行「そうですか」

       

      絵美「だから、いつからなのよ〜」

       

      隆行「う〜ん。最近だよ」

       

      絵美「そうなの!?」

       

      俊之「みたいだね。もっと前から友達ではあったみたいだけどね」

       

      絵美「なるほどね〜」

       

      俊之「で、どうだったのよ!?デートは?」

       

      隆行「俊君に教えて貰ったイタリアンレストランに連れて行きました」

       

      俊之「そうなんだ」

       

      絵美「私と一緒に行ったところ?」

       

      俊之「そうだよ」

       

      絵美「すごい美味しかったよね」

       

      俊之「うん。美味しかっただろ!?」

       

      隆行「はい。香織にも喜んで貰えたんで助かりました」

       

      俊之「そかそか」

       

      絵美「香織ちゃんっていうんだ〜」

       

      隆行「なんか、姉貴、邪魔臭いですね」

       

      俊之「あはは」

       

      絵美「隆行、何を言っているのよ」

       

      俊之「まあ、いいじゃねぇか。姉弟なんだからよ」

       

      隆行「姉弟だから、嫌なんですけど」

       

      俊之「アホ。今更、そんな事を言ってんじゃねーよ」

       

      隆行「何ですか!?」

       

      俊之「これからは絵美にも助けて貰えっての」

       

      隆行「姉貴になんか、助けて貰えるんですか!?」

       

      絵美「隆行、いつまでも私を馬鹿にするんじゃないわよ」

       

      俊之「だって、お前は俺に相談をするだろ!?」

       

      隆行「そうですけど」

       

      俊之「だったら、絵美に香織ちゃんの相談相手になって貰えばいいじゃん」

       

      隆行「それは名案かもしれませんけど、そう上手くいきますかね!?」

       

      絵美「私、相談相手になってあげるよ」

       

      隆行「姉貴で大丈夫ですかね!?」

       

      俊之「あはは」

       

      絵美「隆行〜」

       

      俊之「まあ、なるようになんだろ」

       

      隆行「俊君、無責任ですね」

       

      俊之「いいじゃねーか。どっちみちクリスマスに連れて来るんだから、そん時に上手くいけば、自然に絵美と香織ちゃんは仲良くなるだろうし」

       

      絵美「楽しみだな〜。隆行みたいな生意気な奴より、香織ちゃんとお友達になりたい」

       

      俊之「だってさ」

       

      隆行「ははは。俺、何て言えばいいんですかね!?」

       

      絵美「そんな事より、隆行は香織ちゃんと何処までいっているのよ?」

       

      隆行「どこまでって?」

       

      絵美「もうチューはしたの?」

       

      隆行「な、なんだよ、姉貴」

       

      隆行は照れた。

       

      絵美「何、照れてんのよ」

       

      俊之「チューはしたみたいだよ」

       

      絵美「そうなんだ。生意気〜」

       

      隆行「俊君〜」

       

      俊之「いいじゃねーか」

       

      絵美「でも、チューはって事は、その先はまだみたいだね」

       

      隆行は顔を真っ赤にして俯いてしまう。

       

      俊之「あはは。そんなに隆行を虐めるなよ」

       

      絵美「虐めてはいないけど。そんなに恥かしいんだ」

       

      俊之「まあ、とにかく良かったじゃねーか」

       

      隆行「はい」

       

      隆行は俯いたまま、何とか答えた。

       

      俊之「そんじゃ、俺達は戻るから」

       

      俊之と絵美は立ち上がった。

       

      それを見た隆行も、すぐに立ち上がる。

       

      隆行「俊君、色々とありがとうございました」

       

      隆行は深々と頭を下げた。

       

      俊之「いいって。それより、これからも上手くいくといいな」

       

      隆行「はい」

       

      俊之と絵美は隆行の部屋を出て、絵美の部屋へ戻った。

       

      そして対面になって座る。

       

      絵美「隆行ったら、あんなに照れちゃって」

       

      俊之「あはは」

       

      絵美「今の隆行は生意気だけどさ」

       

      俊之「うん」

       

      絵美「小さい頃はすごく可愛かったんだよ」

       

      俊之「そうなんだ」

       

      絵美「いつも私に引っ付いてきてさ」

       

      俊之「へぇ〜」

       

      絵美「ちょっと思い出しちゃったな〜」

       

      俊之「ふふふ。そんじゃ、勉強をすっぞ」

       

      絵美「うん」

       

      二人は再び、勉強を始める。

       

      今日はいつもにも増して寒さが厳しかった。

       

      それもそのはず。

       

      外では雪がパラつき始めていた。

       

      しかし、この辺は余り雪は降らない土地柄である。

       

      降っても、パラつくくらいで積もる程は滅多に降らない。

       

      この雪も積もる前には止んでしまうだろう。

       

      そんな冬の夜だった。