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2017.01.23 Monday

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    2016.03.11 Friday

    エピソード42/初詣

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      朝早く、俊之と隆行が自転車で疾走をしている。

       

      初詣をしに神社へと向かっていた。

       

      女共は絵美の父の車で神社へ向かう予定だ。

       

      俊之と隆行が一足先に絵美の家から出発をした。

       

      神社までは自転車だと、1時間以上はかかる。

       

      そろそろ絵美の父の車も出発をしているのかもしれなかった。

       

      そんな事は気にもせず、二人は自転車を漕いでいる。

       

      後、数分くらい、自転車で走れば神社へと着く。

       

      それぐらいの所にコンビニがあった。

       

      俊之と隆行は、そこで自転車を停めて鍵を掛ける。

       

      残りは徒歩で待ち合わせ場所へと向かう。

       

      俊之「今日は香織ちゃんが居なくて、残念だな」

       

      隆行「仕方がないですよ。香織、正月は母親の田舎へ帰るって言っていましたから」

       

      二人は歩きながら話をしている。

       

      俊之「お前は香織ちゃんの親に会う気はないの!?」

       

      隆行「そんなの無理ですよ」

       

      俊之「そうか!?」

       

      隆行「香織も嫌がっていますし」

       

      俊之「絵美も嫌がっていたけどな」

       

      隆行「そうなんですか!?」

       

      俊之「お父さんに会わせるのは怖いって」

       

      隆行「香織と同じですね」

       

      俊之「そっか」

       

      隆行「しかも、香織んチは一人娘なもんで、その辺って結構、厳しいみたいなんですよ」

       

      俊之「佐藤んチと同じ様な感じなのかな」

       

      隆行「姉貴の友達ですか!?」

       

      俊之「そう」

       

      隆行「姉貴の友達、可愛いですよね!?」

       

      俊之「そうだな」

       

      隆行「何で姉貴なんですか!?」

       

      俊之「前に言わなかったっけ!?」

       

      隆行「聞きましたけど。それでも、やっぱり、そう思っちゃうんですよ」

       

      俊之「ははは」

       

      隆行「俺だったら、姉貴の友達の方がいいな〜なんて」

       

      俊之「因みに、絵美の友達って佐藤と長谷川と、どっち!?」

       

      隆行「名前は分かんないんですけど、余り背の大きくない方かな」

       

      俊之「じゃあ、長谷川の方だな」

       

      隆行「でも、背の大きい方も姉貴よりは、マシだって思いますけど」

       

      俊之「お前な〜。その姉貴の彼氏は俺なんだぞ」

       

      隆行「すみません」

       

      俊之「そんな事ばっか言っていると、香織ちゃんに言っちゃおうかな」

       

      隆行「何をですか?」

       

      俊之「だから、隆行が長谷川の事を可愛いって言っていたって」

       

      隆行「いや、だって、香織はそれ以上ですから」

       

      俊之「あはは。そう言うんだったら、俺は香織ちゃんよりも絵美の方が可愛いって思うよ」

       

      隆行「えーーー。それは信じられないですよ」

       

      俊之「アホ。俺からすれば、お前の方が信じられないよ。香織ちゃんには悪いけどさ」

       

      隆行「そういうもんなんですかね」

       

      俊之「いいじゃねーか。違う相手を好きになる方がさ」

       

      隆行「それも、そうですね」

       

      俊之「俺が香織ちゃんを好きになったら、どうするよ!?」

       

      隆行「勘弁して下さいよ。俊君は姉貴で我慢しておいて下さい」

       

      俊之「あはは。我慢ってのは何なんだよ」

       

      隆行「いや、つい口が滑って。すみません」

       

      俊之「まあ、いいけどさ」

       

      隆行「俊君って、本当に面倒見がいいですね」

       

      俊之「そうか!?」

       

      隆行「だから、俺、ついつい甘えちゃうんですよね」

       

      俊之「たまには絵美にも甘えてみろよ」

       

      隆行「それは、もう無理ですよ」

       

      俊之「小さい時は絵美にべったりだったみたいじゃん」

       

      隆行「それは、そうだったんですけどね」

       

      俊之「ふふふ」

       

      隆行「今は正直、照れ臭くて出来ませんよ」

       

      俊之「でも、それって隆行は絵美の事を好きなんじゃないの!?」

       

      隆行「う〜ん。正直、微妙ですね」

       

      俊之「そっか」

       

      隆行「確かに、今でも姉貴として好きではあると思うけど、逆に姉貴の様にはなりたくないとも本気で思いますから」

       

      俊之「絵美の何処が嫌なのよ!?」

       

      隆行「姉貴、馬鹿じゃないですか」

       

      俊之「ははは。でも、最近は、そんなに馬鹿じゃないと思うけどな」

       

      隆行「それは俊君と一緒に勉強をしているからでしょうし」

       

      俊之「そうでもないよ。やれば出来るってだけだよ」

       

      隆行「そうかもしれませんけど、俺、中学に入って、姉貴の弟だって先輩に知られると、大概、からかわれたんですよね」

       

      俊之「そっか」

       

      隆行「それに姉貴、ちょっと天然が入っているでしょ!?」

       

      俊之「ははは」

       

      隆行「本当にいい迷惑でしたよ」

       

      俊之「弟も大変なんだな」

       

      隆行「でも、もう姉貴の代、卒業しちゃったから、いいんですけどね」

       

      俊之「来年はお前の番じゃん」

       

      隆行「そうですね」

       

      俊之「お前、結局、高校はどうするつもり?」

       

      隆行「だから、姉貴と同じ所じゃなければいいんですけど」

       

      俊之「そっか」

       

      隆行「それで、出来れば、もっとレベルの高いところの方がいいんですけど」

       

      俊之「それは大丈夫だろ!?今の成績だったら」

       

      隆行「そうなんですけど」

       

      俊之「何か問題でもあるの?」

       

      隆行「俺、出来れば、香織と一緒の高校に行きたいんですよ」

       

      俊之「それは、そうだろうな。んで、香織ちゃんの成績は、どんな感じなの?」

       

      隆行「多分、今のままじゃ、西校レベルなんじゃないかと」

       

      俊之「あはは。それじゃ、俺や絵美の後輩になる訳だ」

       

      隆行「だから、それは俺が嫌なんですよ」

       

      俊之「だったら、一緒に勉強をして、少しでも上の高校へ一緒に行けばいいじゃん」

       

      隆行「そうですね。でも、それはそれで、また悩んじゃうんですよ」

       

      俊之「何で?」

       

      隆行「香織はどんなに頑張っても、南校くらいまでだと思うんです」

       

      俊之「西校レベルからじゃ、そうかもしれないな」

       

      隆行「それで俺は、どうしたらいいんだろうって」

       

      俊之「そっか。因みに、俺も南校は行けるくらいではあったよ」

       

      隆行「そうなんだ。姉貴は西校でもギリギリだったみたいだけど」

       

      俊之「ははは。でも、通学の事を考えたら、西校が一番、楽だったんだよね」

       

      隆行「そうですね。ウチら辺からだと西校が一番、楽ですよね」

       

      俊之「俺、バイトをしなきゃならないし」

       

      隆行「なるほど」

       

      俊之「でも、一番の決め手は絵美が西校を受験するって聞いた事だったんだけどね」

       

      隆行「そうだったんだ」

       

      俊之「それに西校からでも、一流大学へ行けない事もないって思ったし」

       

      隆行「そうなんですか!?」

       

      俊之「うん。でも、西校から一流大学へ行けるのは、一人か二人、いるかいないかだからさ」

       

      隆行「そうなんだ」

       

      俊之「だから、俺は高校に入って最初の目標を1番にしたんだけどね」

       

      隆行「なるほど。だったら、俺も南校でいいかな〜」

       

      俊之「ふふふ」

       

      隆行「でも、そうしたら、そうしたで、親に何て言われるか分かんないな」

       

      俊之「そうかもな。せっかく、もっと上を狙えるのにな」

       

      隆行「俊君はお母さんから何か言われなかったんですか?」

       

      俊之「うん。ウチのお袋は俺が決めた事だからって、それに対して何か言うって事はなかったな」

       

      隆行「ウチもそうだったら、いいんだけどな〜」

       

      二人は待ち合わせ場所へ着く。

       

      俊之「やっぱり、俺達の方が早かったな」

       

      隆行「そうですね。きっと、駐車場で手間取っているんじゃないのかな」

       

      俊之「だろうな」

       

      俊之達の前を何人もの人が通り過ぎて行く。

       

      駐車場から神社へ行くには此処を通らなければならない。

       

      俊之達は目の前を通り過ぎる人の列を眺めながら話を続けた。

       

      暫くすると、人の列の後ろの方から絵美の声が聞こえてくる。

       

      俊之達がそちらに視線を向けると、絵美と親達が来ていた。

       

      そして絵美と親達が俊之達のところまで来たところで俊之達が合流をする。

       

      絵美「お待たせ」

       

      絵美の母「どれくらい待ったの?」

       

      俊之「そんなには待ってないと思いますよ」

       

      絵美の父「すまなかったね。駐車場に車を中々、停められなくてさ」

       

      俊之「いいんですよ。こうなる事は分かっていましたから。な」

       

      俊之が隆行に相槌を求めた。

       

      隆行「そうですね」

       

      俊之の母「すみません。私達がお邪魔しちゃったせいで」

       

      絵美の母「いいんですよ。隆行もいい運動になっただろうし」

       

      俊之「こんなの運動の内に入らないよな」

       

      隆行「全然、余裕ですね」

       

      俊之「そこまで余裕ある様には見えなかったぞ!?」

       

      隆行「俊君、そんなのバラさなくても、いいじゃないですか」

       

      絵美「あはは。隆行、だらしないな〜」

       

      隆行「俊君の方が体力、あり過ぎなんですよ〜」

       

      俊之「俺はバイトで鍛えているからな」

       

      そして皆、揃って人の流れに乗って神社へと向かう。

       

      途中で別の方向から来る人達も加わって、人の数も増えてくる。

       

      階段を上り鳥居をくぐって、境内の方へ入っていく。

       

      そして、やっと賽銭箱の前まで到着する。

       

      皆は揃って、それぞれ十円を賽銭箱へ投げ入れた。

       

      そして絵美の父が鈴を鳴らし、皆、揃って拝礼をする。

       

      参拝を済ませると、皆で再び人の流れの中に戻る。

       

      俊之「なぁ、絵美」

       

      絵美「何?」

       

      俊之「帰りは隆行の自転車を借りて、俺と一緒に帰ろうぜ」

       

      絵美「えー」

       

      俊之「いいだろ!?隆行」

       

      隆行「構わないですよ」

       

      俊之「帰りは下りだし、俺、絵美と二人で帰りたいんだけどな〜」

       

      絵美「じゃあ、分かった」

       

      隆行「正月、早々にデートが出来るなんて、いいですね」

       

      俊之「そういう事。のんびり寄り道をしながら帰ろう」

       

      絵美「うん」

       

      隆行「そんじゃ、姉貴、これ」

       

      隆行が絵美に自転車の鍵を渡す。

       

      絵美「私、隆行の自転車に乗れるかな〜」

       

      俊之「サドルを下げれば平気だろ」

       

      絵美「そっか」

       

      皆は暫く、人の流れに乗って駐車場へ向かう。

       

      そして途中で俊之と絵美が流れの外へ出る。

       

      俊之「昼頃までには帰れると思うから」

       

      俊之の母「分かったわ」

       

      俊之と絵美は自転車を停めてあるコンビニへと向かう。

       

      俊之「なぁ」

       

      絵美「何?」

       

      俊之「バイト、4日からだろ!?」

       

      絵美「うん。やっぱり、三箇日は仕事なんてしたくないもん」

       

      俊之「じゃあ、明後日さ、手伝ってくれないかな?」

       

      絵美「何を?」

       

      俊之「お袋の実家でお年始があるんだけど、俺は子供達のお守りするからさ」

       

      絵美「えーーー」

       

      俊之「何だよ!?」

       

      絵美「だって、私なんて行っていいの?」

       

      俊之「それは大丈夫。彼女が出来た事は前に話をしてあるし、連れて行けば歓迎はしてくれると思うよ」

       

      絵美「でも」

       

      俊之「分かっているよ。いきなり親戚連中の中に放り込まれるのも抵抗はあるだろうさ」

       

      絵美「うん」

       

      俊之「でも、そんなに気にする事はないって」

       

      絵美「う〜ん」

       

      俊之「本当に子守を手伝ってくれるだけでいいからさ」

       

      絵美「そう言われてもさ〜」

       

      俊之「俺だって、子守って理由があるから、連れて行こうって思うんだもん」

       

      絵美「そうなの!?」

       

      俊之「だから、明日は親父の方のお年始があるんだけど、そっちは理由がないから誘えない」

       

      絵美「そうなんだ」

       

      俊之「理由がなかったら、絵美に気を遣わせちゃうだけだと思うからね」

       

      絵美「理由があったって、気は遣っちゃうよ〜」

       

      俊之「それは、そうだろうけどさ。そんなのは少しだけで、後は子供達と遊んでいればいいだけだからさ」

       

      絵美「う〜ん」

       

      俊之「晴実と聡史も絵美に会いたがっているみたいだし」

       

      絵美「そうなんだ。私も晴実ちゃんと聡史君には会いたいけど」

       

      俊之「それに俺が、そういう時間を絵美と一緒に過ごしてみたいんだ」

       

      絵美「も〜」

       

      俊之「どうした?」

       

      絵美「そういう風に言われちゃったら、断れないじゃん」

       

      俊之「ふふふ。良かった」

       

      絵美「ねぇ」

       

      俊之「何?」

       

      絵美「子供って何人くらいいるの?」

       

      俊之「全部で9人かな。でも、1人はまだ赤ん坊だから、実質8人かな」

       

      絵美「そっか」

       

      俊之「大変だろ。俺、一人じゃ」

       

      絵美「そうだね。でも、今まで俊君が一人で子守をしてきたの?」

       

      俊之「いや、聡ちゃんや光ちゃんって、末っ子の叔父さんも一緒に子守をしてくれていたけど」

       

      絵美「そうなんだ」

       

      俊之「絵美が来てくれれば、聡ちゃんと光ちゃんは交替で、俺達を含めた子供達を監督するって感じになると思うんだ」

       

      絵美「余り気が進まないけど、仕方がないな〜」

       

      俊之「サンキュ」

       

      絵美「でも、晴実ちゃんと聡史君と会うのは楽しみだし」

       

      俊之「俺も楽しみ。でも、絵美の方に懐かれていたら、俺、妬いちゃうかも」

       

      絵美「あはは。俊君、焼き餅を妬くんだ」

       

      俊之「多分ね。分かんないけど」

       

      絵美「ねぇ。それは私に妬くの?それとも晴実ちゃん達に妬くの?」

       

      俊之「残念だけど、それは晴海達の方だな」

       

      絵美「酷〜い」

       

      俊之「だって、俺、子供が好きなんだもん」

       

      絵美「じゃあ、私の事は好きじゃないんだ!?」

       

      俊之「絵美の事は、もっと好きだって」

       

      絵美「えー、本当に!?」

       

      俊之「ただ、好きの種類が違うんだ」

       

      絵美「どう、違うの?」

       

      俊之「女の子として、一番、大好きなのは絵美なんだよ。でも、そんな女の子よりも子供の方が俺は好きなんだ」

       

      絵美「何、それ!?」

       

      俊之「だから、女の子よりも子供の方が俺の価値観の中では上になるって事」

       

      絵美「う〜ん」

       

      俊之「どうした?」

       

      絵美「それを、どう受け取ったらいいのか、分かんなくてさ」

       

      俊之「ははは。そっか」

       

      絵美「それって、女として喜べる事なのか、喜べない事なのかって」

       

      俊之「ただ、これだけは言えるよ」

       

      絵美「何?」

       

      俊之「俺、絵美がそれを望んでくれる限り、女の子は絵美だけをずっと好きでい続ける事が出来るって」

       

      絵美「ありがとう」

       

      絵美は少し照れた。

       

      そして続けて、絵美が言う。

       

      絵美「じゃあ、私はずっと、それを望むから、俊君もずっと私の事を好きでいてね」

       

      俊之「分かった」

       

      絵美「だったら、私もずっと俊君の事を好きでいるね」

       

      俊之「ありがとう」

       

      絵美「えへへ」

       

      俊之「本当に絵美って可愛いな」

       

      絵美「ありがとう」

       

      俊之「本当はチューをしたくなっちゃったんだけど」

       

      絵美「けど、何!?」

       

      俊之「人に見られたら恥かしいから」

       

      絵美「そうだね」

       

      俊之「後で人気の無いところへ行ってからにしよう」

       

      絵美「うん」

       

      俊之「去年もいい年だったけど、今年はもっといい年にしような」

       

      絵美「そうだね〜」

       

      俊之「なんとなくだけど、いい年に出来そうな気がするし」

       

      絵美「何で?」

       

      俊之「だって、年の初めの今日から、絵美とこうしてデートが出来たし」

       

      絵美「そっか。でも、そうだよね」

       

      俊之「きっと、俺達、縁起物だぜ」

       

      絵美「何、それ〜」

       

      俊之「その内、みんなから拝まれちゃったりして」

       

      絵美「あはは。そんな事、ある訳ないじゃん」

       

      俊之「そりゃ、そうだろうけど、俺達、縁起はいいかな〜って」

       

      絵美「それは私達がいいだけじゃん」

       

      俊之「そうなんだけどさ〜」

       

      そして二人はコンビニに着く。

       

      俊之が隆行の自転車のサドルを目一杯に下げる。

       

      絵美「ありがとう」

       

      俊之「これで大丈夫だろ」

       

      絵美「多分」

       

      二人はそれぞれ自転車の鍵を外して自転車に跨る。

       

      俊之「そんじゃ、帰ろう」

       

      絵美「うん」

       

      二人は自転車で走り始める。

       

      神社へ向かう時と比べて、速度は随分と遅かった。

       

      俊之が絵美に合わせて、ゆっくり進んでいるからだ。

       

      それに帰りは、もう急ぐ必要もない。

       

      だから、二人はゆっくりとサイクリングデートを楽しんでいる。

       

      空気は冷たかったが、二人の周りだけ温度が温かくなってる様だった。

      2017.01.23 Monday

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