<< エピソード52/セッティング | main | エピソード54/俊之んチからの帰り道 >>
2017.01.23 Monday

スポンサーサイト

0

    一定期間更新がないため広告を表示しています

    2016.03.22 Tuesday

    エピソード53/カルテット+1

    0

      放課後になって、少し時間をおいてから、俊之は淳の教室へ向かった。

       

      そして敦の教室へ着く。

       

      俊之「お待たせ」

       

      淳「他の連中は?」

       

      俊之「先に帰って貰った」

       

      淳「先に帰って貰ったって、山ノ井んチに集まるんだろ!?」

       

      俊之「そうだよ」

       

      淳「山ノ井が居なくて平気なのかよ!?」

       

      俊之「うん。絵美はもう、ウチの家族も同然だし」

       

      淳「もう、そんな仲なんだ」

       

      俊之「そう」

       

      淳「お前等、仲がいいってのは知っていたけどな」

       

      俊之「そんじゃ、帰るべ」

       

      そして二人は俊之の家へと向かう。

       

      一方、先に俊之の家に着いた絵美達。

       

      由佳「絵美、紐は何処にあるの?」

       

      絵美「ちょっと待っていてよ。今、持って行く」

       

      木綿子「紐って、どうするの?」

       

      由佳「すぐに分かるわよ」

       

      そして絵美が押入れからビニールの紐を持って来る。

       

      由佳「ハサミはある!?」

       

      すぐに絵美がハサミを取りに行って持って来る。

       

      そして由佳がビニールの紐を適当な長さに切った。

       

      由佳「これくらい、あればいいよね!?」

       

      絵美「そんなの分からないよ」

       

      由佳「ほら、絵美、台所に行くわよ」

       

      由佳と絵美は台所へ行く。

       

      木綿子はリビングから二人を眺めている。

       

      由佳「絵美、何処に繋いで欲しい?」

       

      絵美「もう、何処だって、いいわよ」

       

      由佳「じゃあ、やっぱり、首にしておこうね」

       

      絵美「ぶー」

       

      由佳「その方が犬みたいで面白そうじゃん」

       

      そして絵美の首を台所のテーブルの足にビニールの紐で繋ぐ。

       

      絵美は台所の床に座布団を敷いて座った。

       

      由佳はリビングに戻る。

       

      木綿子「由佳、何をしているのよ!?」

       

      由佳「大竹君、絵美が苦手なんだって」

       

      木綿子「だからって、そんな事はしなくてもいいんじゃないの!?」

       

      由佳「だから、ギャグよ。掴みって奴」

       

      そして由佳と木綿子もリビングで座る。

       

      木綿子「絵美、可愛そう〜」

       

      由佳「木綿子の為に、やっているんだからね」

       

      絵美「そうだよ〜」

       

      木綿子「別に、そこまでしてくれなくてもいいのに」

       

      由佳「まあ、いいじゃないの。面白いし」

       

      木綿子「由佳はいいわよね。完全に他人事だもの」

       

      絵美「本当、何で私だけ、こんな目に遭わなきゃならないのよ〜」

       

      由佳「それは絵美が大竹君に嫌われているからでしょ」

       

      絵美「じゃあ、何で木綿子は大竹君なんて、好きになるのよ〜」

       

      木綿子「絵美。そういう事を言うわけ!?それじゃ、もう同情をするの止めようかな」

       

      由佳「そうよ。絵美に同情なんて、する必要はないわ。いつも私達の目の前で見せ付けてくれちゃってさ」

       

      木綿子「それは、そうだね」

       

      由佳「たまには、こういう目にでも遭って貰わないと、私達も納得がいかないでしょ!?」

       

      木綿子「そこまで言うんだ」

       

      そして俊之達の自転車の音が聞こえる。

       

      由佳「来たみたい」

       

      木綿子「どうしよう」

       

      由佳「木綿子は座っていていいよ。私が出迎えてくる」

       

      そう言って、由佳は玄関へ向かった。

       

      玄関から俊之と淳が入って来る。

       

      由佳「大竹君、いらっしゃい」

       

      淳「おお。佐藤か」

       

      俊之「お前、自分チみたいに言うなよな」

       

      由佳「だって、今、絵美が出れないから、私が絵美の代わり」

       

      淳「もう、みんな揃っているの?」

       

      由佳「準備万端よ」

       

      そして俊之が家に上がる。

       

      俊之「上がっていいよ」

       

      淳「お邪魔します」

       

      淳も家に上がる。

       

      そして3人はリビングへと行く。

       

      リビングに入ると台所に繋がれている絵美の姿が見える。

       

      俊之「絵美〜。可愛いじゃん」

       

      先ず、俊之がリビングに入って言った。

       

      淳「あはは。マジに繋いでおいてくれたのかよ」

       

      淳もリビングに入って来た。

       

      続いて、由佳もリビングに入って来て、元の位置に座る。

       

      俊之「だって、冗談でも繋いでおくって言っちゃったからさ」

       

      そう言いながら、俊之も座った。

       

      淳「川村、悪かったな」

       

      絵美「本当、酷いよ〜」

       

      俊之「大竹も座れよ」

       

      俊之に促されて、敦も俊之の左の側へ座る。

       

      俊之の右の側には由佳が座っていた。

       

      淳「川村、可哀相だから、もう放してやったら!?」

       

      俊之「大竹が、そう言うんだったら」

       

      俊之はそう言いながら、立ち上がって台所へ行き絵美の紐を外して、絵美と一緒にリビングに戻って来る。

       

      俊之は元の位置へ座り、絵美は俊之の右隣に座った。

       

      絵美「ねぇ。大竹君」

       

      淳「何?」

       

      絵美「何で私が嫌いなの?」

       

      淳「別に嫌いって訳じゃないけど」

       

      絵美「そうなんだ」

       

      淳「ちょっと苦手かな〜って」

       

      絵美「じゃあ、何で苦手なの?」

       

      淳「そういうところ」

       

      絵美「え!?そういうところって?」

       

      淳「だから、そうやって、何でも訊いてくるイメージがあるからさ」

       

      絵美「私って、そんなイメージがあるんだ。俊君も!?」

       

      俊之「そうだな〜。言われてみると、そういうところは、ある様な気がする」

       

      由佳「そうだね〜。私なんて、付き合いが長いから、気にはならなかったけど」

       

      絵美「そうだったんだ。ゴメンネ。色々と訊いちゃって」

       

      淳「いいよ。気にしないで」

       

      絵美「ありがとう。大竹君って優しいんだね」

       

      由佳「何、あんたばっかり、しゃべっているのよ」

       

      俊之「やっぱり、繋いでおいた方が良かったんじゃないの!?」

       

      淳「そうかもしれないな」

       

      絵美「みんな、酷〜い」

       

      俊之「それより長谷川、黙っちゃって、どうしたんだよ!?」

       

      木綿子「え!?だって、」

       

      俊之「先に長谷川の話をしちゃった方がいいのかな!?」

       

      木綿子「どうしよう」

       

      淳「いいよ。大体の事はもう、分かっているからさ」

       

      木綿子「え!?」

       

      淳「長谷川は俺に好意を持ってくれているんだろ!?」

       

      木綿子「うん」

       

      木綿子は照れた。

       

      淳「でも、今すぐに付き合ったりする事は出来ないかな」

       

      木綿子「今すぐって!?」

       

      淳「俺、まだ前の彼女に未練があってさ」

       

      木綿子「そうなんだ」

       

      淳「だから、暫くは友達って事でいいかな?」

       

      木綿子「うん」

       

      淳「決して、長谷川の事を嫌いって訳じゃないんだ」

       

      木綿子「本当に!?」

       

      淳「うん。ただ、まだ、ちょっと長谷川の事は、よく知らないし」

       

      木綿子「そうだよね」

       

      淳「だから、友達として接してみて、俺が長谷川と付き合いたいって思える様になったら、そして前の彼女の事に踏ん切りをつけれる様になったら、俺の方から言うからさ」

       

      木綿子「うん」

       

      淳「それまでに長谷川も俺の事を、ちゃんと見ておいてくれるかな!?」

       

      木綿子「うん」

       

      淳「じゃあ、そういう事で」

       

      由佳「良かったじゃん。木綿子」

       

      木綿子「良かったのかな!?」

       

      木綿子は少し照れながら言った。

       

      淳「お前等、いつもこうして、くっちゃべっているの?」

       

      俊之「いや。普段は勉強もしているんだけどね」

       

      淳「そうなんだ」

       

      由佳「大竹君は勉強をしているの?」

       

      淳「うん。一応はやっているかな」

       

      由佳「そうなんだ」

       

      淳「ウチの親、俺が高校に入ってからは勉強をしろって、うるさくなっちゃってさ」

       

      由佳「ウチは別の事で、うるさいけど」

       

      淳「別の事って?」

       

      由佳「男の子の事」

       

      淳「なるほどね」

       

      絵美「大竹君、前のテストは何番だったの?」

       

      淳「俺!?23番」

       

      絵美「すごいじゃ〜ん」

       

      由佳「私達より上だわ」

       

      淳「そうなんだ。みんなは、どうだったの?」

       

      由佳「私は76番」

       

      絵美「私は82番」

       

      木綿子「私は49番」

       

      俊之「俺は1番」

       

      淳「山ノ井には訊いていないって」

       

      由佳「そうだよね。山ノ井君の順位なんて、みんな知っているもんね」

       

      俊之「そっか。それより大竹は、いつも一人で勉強をしているの?」

       

      淳「そんなの当たり前じゃん」

       

      俊之「だったら、これからは大竹も俺達と一緒に勉強をしようぜ」

       

      絵美「そうだよ〜」

       

      淳「う〜ん。どうしようかな」

       

      由佳「何、迷っているのよ!?」

       

      淳「お前等、毎日、勉強をしているの?」

       

      由佳「殆ど毎日、学校帰りに此処に寄って、やっているんだけど」

       

      俊之「俺はバイトの時、夕方はやらないけどね」

       

      絵美「大竹君は毎日じゃないの!?」

       

      淳「いや。俺も夜にだけど、毎日、少しずつ、やっているよ」

       

      俊之「じゃあ、いいじゃん」

       

      淳「だから、山ノ井が居る時だけだったら、いいかな」

       

      絵美「何で?」

       

      淳「だって、俺一人で女3人の相手をすんのは怖いもん」

       

      俊之「ははは。そうだよな」

       

      淳「山ノ井はよく平気だよな!?」

       

      俊之「俺は絵美が居れば、いいから。後は、おまけみたいなもんだし」

       

      由佳「何よ。おまけって」

       

      俊之「だって、おまけじゃん。おまけが嫌だったら、早く彼氏を見つけて、彼氏と勉強をしろって」

       

      由佳「うるさいわね。彼氏となんて、勉強をする訳がないじゃん」

       

      俊之「バーカ。俺達、学生なんだぜ」

       

      由佳「馬鹿って、何よ」

       

      俊之「一緒に勉強をする事で、より多くの時間を共有が出来る様になるんだぜ」

       

      絵美「そうだよね。勉強じゃなかったら、許して貰えないよ」

       

      由佳「ウチは勉強をしていたって、許して貰えないわよ」

       

      俊之「まあ、佐藤んチは別として、大竹と長谷川も付き合う様になったら、二人きりで勉強をすれば、いいじゃん」

       

      木綿子「えー」

       

      俊之「何!?長谷川は大竹と二人きりで勉強をするのは嫌なの?」

       

      木綿子「嫌というか、二人きりになったら、勉強よりも色々と話をしたりとか」

       

      俊之「そんなもん、勉強の合間、合間で十分に出来るじゃん」

       

      絵美「そうだよね。私達もそうだもん」

       

      木綿子「それに、まだ付き合うって訳でもないんだし」

       

      俊之「そっか。とにかく、暫くは、みんなで一緒に勉強って事だな」

       

      淳「それで、山ノ井は何曜日が休みなのよ?」

       

      俊之「何曜日とかは決まっていないんだよ」

       

      淳「そうなんだ」

       

      俊之「だから、俺のバイトが休みの時は声をかけるから、それで大竹の都合がつく様だったらって事で、いいんじゃね!?」

       

      淳「そうだな」

       

      絵美「じゃあ、決まりだね〜」

       

      淳「それで山ノ井に、ちょっと訊きたい事があるんだけど、いい?」

       

      俊之「何?」

       

      淳「山ノ井はバイトで、どれくらい、お金を貰っているの?」

       

      俊之「俺は月に5万くらいかな」

       

      淳「すげーな」

       

      絵美「だよね〜」

       

      俊之「だって、俺は土曜半日、日曜一日に加えて、平日も学校が終ってからの数時間を週に2〜3日、働いているからな」

       

      淳「そんなに働いているんだ」

       

      絵美「私達なんて、日曜日だけだから、2万円くらいだったよね」

       

      木綿子「うん。でも、今度のお給料は冬休みに少し働いたから、もう少し貰えるんじゃないかな」

       

      絵美「そうだね。楽しみだな〜」

       

      由佳「いいな〜」

       

      淳「川村と長谷川もバイトをしているの?」

       

      絵美「うん」

       

      長谷川「まだ始めたばかりだから、年末に初めてお給料を貰ったんだけどね」

       

      由佳「私もアルバイトをしているんだよ」

       

      淳「佐藤もしているんだ」

       

      由佳「でも、私はこの間、始めたばかりだから、まだお給料は貰った事がないんだ」

       

      淳「そっか。みんなバイトをしているんだ」

       

      木綿子「お小遣いが足りないからって、アルバイトをし始めたんだけどさ」

       

      淳「うん」

       

      木綿子「普段、勉強をする様になって、日曜日にアルバイトをしていると、お小遣い自体、使う暇もなくなっちゃって、何の為にアルバイトをしているのか、分かんなくなっちゃったりもするんだけどね」

       

      絵美「そう言えば、勉強をする様になってから、小遣いが足りないなんて事はなくなったよね」

       

      木綿子「でしょ!?」

       

      淳「そっか。俺も小遣いが足りなくて、困っていたんだけど」

       

      俊之「じゃあ、大竹もバイトをすれば、いいじゃん」

       

      淳「うん。でも、俺は春休みにしようと思っているんだ」

       

      俊之「そっか。それは、それで、いいんじゃないの」

       

      絵美「私も春休みは頑張って働かなくちゃ」

       

      淳「川村は春休みも働くんだ」

       

      絵美「うん。私は夏休みに俊君と沖縄へ行くお金を貯めているから」

       

      淳「そうなんだ」

       

      木綿子「私も春休みは頑張って働こう」

       

      俊之「さっき、何の為にバイトをしているのか、分かんなくなってきているって言っていたくせに」

       

      木綿子「なんか、お金が貯まっていくのが楽しくなってきちゃってさ。 だったら、お金を貯めて、ブランド物でも買っちゃおうかなって」

       

      由佳「それ、いいね。だったら、私もそうしよう」

       

      絵美「いいな〜」

       

      由佳「あんたは山ノ井君と沖縄へ行くんだから、いいじゃない」

       

      絵美「そうなんだけどさ〜」

       

      淳「山ノ井と川村って、勉強だのバイトだのって、普段、デートとかしてんの?」

       

      俊之「しているよ。デートは月に1回くらいだけどね」

       

      淳「そうなんだ。でも、月1じゃ、物足りなかったりしない!?」

       

      俊之「毎日、一緒に勉強をしているから、それはないかな」

       

      絵美「そうだね。俊君とは毎日、会っているし」

       

      淳「山ノ井って、平日もバイトをしているんじゃなかったの?」

       

      俊之「だから、バイト終えてから、夜に勉強をしているんだよ」

       

      淳「そうなんだ。じゃあ、川村は夜も勉強をしているの?」

       

      絵美「俊君がアルバイトの時はつき合わされるんだ」

       

      俊之「つき合わされるって、嫌々なのかよ」

       

      絵美「別に嫌だって訳じゃないけどさ〜」

       

      由佳「山ノ井君って、本当に勉強バカだよね」

       

      俊之「うるせーな。仕方がねーじゃん。大学へ行く為には勉強をしなきゃならないし」

       

      淳「そうなんだよな。それでウチの親、高校に入ってから、勉強をしろって煩くなったんだよ」

       

      木綿子「大竹君も進学を考えているんだ」

       

      淳「一応、大学くらいは出ておかないとさ」

       

      由佳「男の子は、そうだよね」

       

      俊之「女の子だって行けるなら、大学くらいは行っておいた方がいいと思うよ」

       

      由佳「そりゃ、そうかもしれないけどさ」

       

      木綿子「ウチは大学に行かせて貰えるお金はないと思うな。だから、せいぜい短大かな」

       

      俊之「ウチだって、そんなお金はないよ。だから、自分でバイトをして貯めているんじゃん」

       

      淳「それで、そんなにバイトをしているんだ」

       

      俊之「そうなんだよ」

       

      絵美「私は大学へ行けるのかな〜」

       

      俊之「ちゃんと勉強をすれば、行けると思うよ」

       

      絵美「俊君と同じ大学に?」

       

      俊之「それは無理かもな。俺、大学まで絵美に合わせるつもりはないし」

       

      絵美「酷ーい」

       

      淳「でも、そうだよな。女に合わせて大学を選んだりは出来ないよな」

       

      俊之「そうそう。将来がかかっているからね」

       

      由佳「でも、高校は絵美を追いかけて来たくせに」

       

      俊之「だから、そういう事は高校までだって事」

       

      淳「そうだったんだ。山ノ井って川村を追いかけて西校に来たのか」

       

      俊之「そういう事」

       

      淳「でも、中学の時は付き合っていなかったんだろ!?」

       

      俊之「うん。高校に入ってから」

       

      由佳「私達も中学の時は山ノ井君となんて、殆ど、しゃべった事すらなかったもんね」

       

      木綿子「私は多分、一度もなかったと思う」

       

      俊之「そうか!?でも、小学生の時に何度かは、あるんじゃない!?」

       

      木綿子「そうかもしれないけど、覚えていないな〜」

       

      淳「そう言えば、お前等は小学校から、ずっと一緒なんじゃねーの!?」

       

      俊之「そうなんだよ」

       

      絵美「大竹君だけ仲間外れだね」

       

      淳「そういう事になっちゃうな」

       

      そして5人は夕方まで、おしゃべりを続ける。

       

      夕方になると、由佳と木綿子、淳は自宅へと帰っていく。

       

      淳は由佳と木綿子を家まで送る事になる。

       

      辺りは、もう薄暗くなってきていた。

      2017.01.23 Monday

      スポンサーサイト

      0
        コメント
        コメントする