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2017.01.23 Monday

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    2016.03.31 Thursday

    エピソード62/高校2年生

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      絵美「みんな、いいな〜」

       

      俊之「何がだよ!?」

       

      絵美「だって、由佳は大竹君と同じクラスで木綿子は俊君と一緒じゃん。私だけ一人ぼっちなんだよ」

       

      由佳「そんな事は仕方がないじゃない」

       

      俊之達は今日から高校2年生に進級した。

       

      そしてクラス替えがあって、A組に俊之と木綿子、B組に淳と由佳、C組に絵美となったのである。

       

      今日は始業式を終えてから、俊之の家に集合をした。

       

      春休みに遊園地に行った時の写真が出来上がったので、皆で見ようという事になったのである。

       

      しかし絵美は一人だけ、このメンバーの中でクラスが違っていたので、へそを曲げていた。

       

      俊之「それより、写真を見ようぜ」

       

      俊之に促されると、由佳が出来上がった写真をテーブルの上に出した。

       

      由佳「皆で撮った奴だけ、人数分、焼き増しをしておいたよ」

       

      俊之「サンキュー」

       

      そして皆が思い思いに自分が写った写真を眺めながら、その時にあった可笑しかった事の話をして盛り上がる。

       

      そんな中で、へそを曲げていた絵美も機嫌を取り直していた。

       

      そして話はお化け屋敷での話になる。

       

      俊之「結局、佐藤はお化け屋敷に入らなかったな」

       

      由佳「お化け屋敷だけは死んでも行かないわよ」

       

      絵美「由佳、小学生の時から、そうだったよね」

       

      木綿子「お化け屋敷、面白いのに〜」

       

      由佳「何が面白いのよ!?びっくりさせられるだけで、体に良くないじゃん」

       

      木綿子「そんなに、びっくりなんてしないわよ。ね」

       

      木綿子は他のメンバーに相槌を求めた。

       

      俊之「びっくりはするけど、それが楽しいんじゃないの!?」

       

      木綿子「えー!?私は大して、びっくりはしなかったけど。それより、こんな事で、びっくりさせようとしているのかと思うと、可笑しくて」

       

      俊之「長谷川の楽しみ方は、それは、それで変だと思うよ」

       

      絵美「そうだよー」

       

      木綿子「変態コンビに変だなんて言われたくないわ」

       

      俊之「何だよ!?変態コンビって!?」

       

      木綿子「所構わず、いちゃつく、あんた達の事を変態コンビって言うんじゃないの!?」

       

      由佳「そうそう」

       

      俊之「全く。口の減らない奴等だな。それより長谷川は、もうちょっとリアクションをとった方がいいぞ」

       

      木綿子「何で!?」

       

      俊之「その方が可愛げがあるって。な」

       

      俊之が淳に相槌を求めた。

       

      淳「まあ、いいんじゃねーかな」

       

      俊之「おっ!?大竹の奴、長谷川の肩を持っているよ」

       

      淳「別に、そういう訳じゃねーけど、」

       

      そして淳は言葉を詰まらせた。

       

      俊之「どうかしたのか!?」

       

      淳「いや、ちょっと皆には話をしておこうかと思って」

       

      俊之「ん?話!?」

       

      淳「実は俺、長谷川と付き合う事にしたんだ」

       

      俊之「そうだったのか。どうりで今日は長谷川の話題になると、大竹の食いつきが悪いなと思っていたら」

       

      絵美「良かったじゃ〜ん、木綿子」

       

      木綿子は少し照れていた。

       

      由佳「これで一人身は私だけになっちゃったわね」

       

      俊之「一人身って、使い方が違うぞ」

       

      由佳「そう!?」

       

      俊之「普通は結婚をしているかどうかだからな」

       

      由佳「まあ、いいじゃないの。細かい事を言わないでよ」

       

      絵美「ねー。いつから付き合い始めたの?」

       

      淳「今日から」

       

      絵美「え!?今日から!?」

       

      淳「昨日の夜に長谷川を呼び出して、付き合って欲しいって言って」

       

      俊之「そうなんだ。やるなー」

       

      由佳「遊園地に行った時、2ショットの写真を撮っておけば良かったじゃん」

       

      淳「まだ、そん時は付き合っているって訳じゃなかったし、そういう機会は、これから作れるだろうし」

       

      由佳「それも、そうね」

       

      淳「それで皆に、ちょっと頼みがあるんだけど、」

       

      俊之「ん!?何?」

       

      淳「学校の連中には内緒にしておいて欲しいんだ」

       

      由佳「そりゃ、そうよね。山ノ井君達みたいな変態にはされたくないわよね」

       

      俊之「また俺達は変態、呼ばわりかよ」

       

      由佳「呼ばわりって失礼ね。本当の事を言っているだけでしょ」

       

      俊之「全く。そんな事より、大竹と長谷川はモテるから、バレると僻まれるかもしれないもんな」

       

      絵美「ねー。私達は僻まれたりはしないの?」

       

      俊之「俺達は僻まれるのを通り越して、羨ましがられているからね」

       

      絵美「そうなんだ」

       

      由佳「誰も羨ましがってなんか、いないわよ」

       

      俊之「あっ。此処に僻んでいるのが一人、いたよ」

       

      由佳「僻んでも、いないわよ!」

       

      淳「あはは。山ノ井と佐藤って、本当に息がピッタリだよな」

       

      木綿子「そうなのよね〜」

       

      由佳「何処がピッタリなのよ」

       

      淳「ボケと突っ込みというか」

       

      木綿子「下手な漫才を見ているより、面白い時があるよ」

       

      由佳「そう!?」

       

      淳「山ノ井は川村と付き合うより、佐藤と付き合った方が良かったんじゃねーかって思う時もあるよ」

       

      由佳「ちょっと大竹君、ふざけた事を言わないでよ!」

       

      俊之「ははは。確かに、そういう掛け合いみたいなのは佐藤とが一番、合うかもな」

       

      淳「だろ!?」

       

      俊之「でも、それは佐藤の気が強いからだと思うけどな」

       

      由佳「気が強くて悪かったわね」

       

      俊之「ほら、これじゃ、付き合ったりしたら大変だって」

       

      由佳「そんな事、こっちが言いたいくらいよ。山ノ井君と付き合ったりしたら、喧嘩ばかりで恋愛どころじゃなくなっちゃうわ」

       

      俊之「それは言えているな」

       

      淳「でも、喧嘩をする程、仲が良いって言ったりもするじゃん」

       

      由佳「山ノ井君なんて、絵美の彼氏じゃなかったら、仲良くなんてしないわよ」

       

      俊之「だってさ。まあ、佐藤はともかく、俺の方は佐藤と仲が悪いとは思っていないし」

       

      由佳「だから、仕方なしに仲良くしてあげているんじゃん」

       

      俊之「分かっているって。とにかく、仲が悪い訳じゃないから、喧嘩をする程、仲が良いっていうのは間違いではないけど」

       

      木綿子「そうね」

       

      俊之「だからと言って、それで恋愛が出来るかっていうと、そうでもなかったりで、佐藤とじゃ、ぶつかり合う方向でしか息が合わないからさ」

       

      木綿子「やっぱりねー」

       

      俊之「やっぱりって!?」

       

      木綿子「大竹君といつも、そういう話をしていたから」

       

      俊之「そうなんだ。とにかく、俺には絵美が一番なんだよ」

       

      淳「分かっているって。俺と長谷川も最後には、そういう結論になるんだよ」

       

      俊之「そういう結論って!?」

       

      木綿子「だから、山ノ井君には絵美がお似合いだし、絵美には山ノ井君がお似合いだって事」

       

      淳「山ノ井と川村は他の人の手には負えないって」

       

      俊之「お似合いはいいけど、手に負えないってのは何だよ」

       

      由佳「その通りじゃん。私だって、正直に言えば、山ノ井君の事をいいと思っていた時はあるけど、友達になって親しくなればなる程、付き合ったりしなくて良かったなって思っているもん」

       

      淳「そうなんだ」

       

      由佳「山ノ井君のお相手は絵美にしか出来ない。私には、とても無理だって」

       

      絵美「えへへ」

       

      木綿子「あんた、何を照れてんのよ!?絵美の相手も山ノ井君にしか出来ないんだからね」

       

      絵美「それで、いいもん」

       

      俊之「あはは。絵美がそれでいいなら、俺もそれでいいや」

       

      由佳「全く、これだもんね」

       

      絵美「俊君、何が可笑しかったの!?」

       

      俊之「長谷川の言った皮肉が空振りをしたから」

       

      絵美「え!?皮肉って何?」

       

      由佳「絵美は分からなくて、いいのよ」

       

      絵美「何、それー」

       

      木綿子「本当、そんな事を言わなきゃ良かったわ」

       

      絵美「木綿子、皮肉って何ー?」

       

      木綿子「ちょっと山ノ井君、何とかしてよ」

       

      俊之「後で俺が教えてやるから」

       

      絵美「今じゃ、駄目なの?」

       

      俊之「今、教えるのは、所謂、KYになっちゃうからさ」

       

      絵美「分かった」

       

      由佳「もう、すでにKYになっているって」

       

      俊之「ってか、何で、いつの間にか、俺達の話題になっているんだよ」

       

      絵美「そうだよ。木綿子と大竹君の話をしていたのに〜」

       

      由佳「そういえば、そうだったわね」

       

      淳「いや、俺は学校の連中に内緒にしておいて貰いたいってだけだから」

       

      俊之「俺達は構わないよ。な」

       

      絵美「うん」

       

      由佳「仕方がないわね」

       

      俊之「それより、大竹と長谷川達の方が気を付けた方がいいんじゃね!?」

       

      淳「俺達の所為でバレるのなら、仕方がないさ。ただ、出来れば、そっとしておいて貰いたいからさ」

       

      俊之「俺達は、そっとはしておかないぞ」

       

      淳「分かっているよ。だから、迷ったんだよ」

       

      絵美「何を?」

       

      淳「ここの皆に話をしておくかどうか」

       

      由佳「そうなんだ」

       

      淳「でも、教えておかないと、色々と探りを入れてくるだろ!?」

       

      俊之「そんなの当然じゃん」

       

      淳「それでボロが出ると嫌だから、話をしておく事にしたんだよ」

       

      木綿子「それと私なんだけど」

       

      俊之「ん!?急に、どうした?」

       

      木綿子「アルバイトを平日に変えるから、これからは此処に余り来れなくなっちゃうと思うんだ」

       

      俊之「そっか。まあ、勉強をするにしても、大竹と二人きりでした方がいいもんな」

       

      由佳「山ノ井君はどっちみち、居ない時が多いじゃん。私達が寂しくなっちゃうわ」

       

      絵美「そうだよね〜」

       

      木綿子「ゴメンネ。由佳、絵美」

       

      由佳「別に謝らなくてもいいのに」

       

      絵美「そうだよ。寂しいけど、それ以上におめでとうって感じだし」

       

      由佳「そうそう」

       

      木綿子「ありがとう」

       

      俊之「こうなると、今度は佐藤の彼氏を早く見つけてやんねーとな」

       

      由佳「余計なお世話よ」

       

      絵美「由佳、本当にいい人はいないの〜?」

       

      由佳「今はいないんだよね〜」

       

      淳「もし、俺達で協力を出来る事があったら、協力はするよ」

       

      由佳「ありがとう」

       

      俊之「何だよ。さっきは余計なお世話とか言っていたくせに」

       

      由佳「山ノ井君には協力をして貰わなくていいのよ」

       

      俊之「あーあ。分かったよ」

       

      由佳「それより、あんた達。写真をとっとと選んじゃいなさいよ」

       

      そして皆は、それぞれ気に入った写真を選んで分け合った。

       

      その後も他愛のない、おしゃべりを続ける。

       

      外では、あちこちで桜の花が満開であった。

       

      その桜の花も、もうすぐ散り始める頃だろう。

       

      春の日差しが傾いて、俊之の家のリビングに差し込んでいた。

      2017.01.23 Monday

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