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2017.01.23 Monday

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    2016.06.02 Thursday

    エピソード70/木綿子の部屋にて

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      淳「山ノ井から聞いたけど、佐藤に彼氏が出来たんだって!?」

       

      淳は木綿子の部屋の二段ベッドの一段目に座っていた。

       

      木綿子「あ、そうそう」

       

      木綿子は勉強机の椅子に座って、淳の方を向いている。

       

      淳「ウチの学校の奴?」

       

      木綿子「違う。大学生」

       

      淳「そうなんだ」

       

      木綿子「山ノ井君から聞いたんじゃなかったの!?」

       

      淳「だから、佐藤に彼氏が出来たって事しか聞いていないから」

       

      木綿子「そうなんだ」

       

      淳「長谷川は何処まで知っているの?」

       

      木綿子「何処までって言われても、私もそんなに知っている訳じゃないし」

       

      淳「そっか」

       

      木綿子「ただ、由佳がその大学生にドライブに誘われて、」

       

      淳「うん」

       

      木綿子「いきなり二人きりだと怖いからって、山ノ井君と絵美を一緒に連れて行ってさ」

       

      淳「そうなんだ」

       

      木綿子「ダブルデートって奴ね」

       

      淳「うん」

       

      木綿子「それで、由佳がその大学生と付き合う事にしたって」

       

      淳「なるほど。とうとう佐藤にも彼氏が出来たのかー」

       

      木綿子「どうしたの!?」

       

      淳「ウチの学校の男子、佐藤を狙っていた奴、結構、いるからさ」

       

      木綿子「そっか」

       

      淳「大学生に持っていかれちまうとは、な」

       

      木綿子「でも、由佳には年上の方が合っている気がするかな」

       

      淳「長谷川はどうなの?」

       

      木綿子「私!?私は少し憧れはあるけど、大竹君がいるし」

       

      淳「憧れ、あるんだ」

       

      木綿子「女の子は年上に憧れる方が多いんじゃないかな」

       

      淳「そうなんだ」

       

      木綿子「男の子はどうなの?」

       

      淳「男は余り年は気にしないかな。年を取ってくると、若い子が良くなるのかもしれないけど」

       

      木綿子「男の人って、そういうものなのかな!?」

       

      淳「それは年を取ってみないと、俺には分からないよ」

       

      木綿子「こういう事を余り他人に話すのは良くないのかもしれないけど」

       

      淳「何!?」

       

      木綿子「ウチのお父さん、昔、浮気をしていたみたいなんだ」

       

      淳「そうなんだ」

       

      木綿子「だから、男の人って、そうなのかな〜って」

       

      淳「実を言うと、さ」

       

      木綿子「何?」

       

      淳「ウチの親父も昔、浮気をしていたんだよ」

       

      木綿子「そうなんだ」

       

      淳「それで、またまた実を言うと、なんだけど」

       

      木綿子「うん」

       

      淳「ウチの今の母さんは元々、親父の浮気相手だったんだよ」

       

      木綿子「本当に!?」

       

      淳「親父が浮気をしたもんで、お袋も浮気をして、その浮気相手について行っちゃったんだ」

       

      木綿子「うわ〜」

       

      淳「それで、その後、正式に離婚をして、今の母さんがウチに来たんだけど、」

       

      木綿子「うん」

       

      淳「俺、今の母さんに余り馴染めなくてさ」

       

      木綿子「そうなんだ」

       

      淳「よく母親をやってくれているとは思うんだけどね」

       

      木綿子「大竹君の話を聞いたら、ウチはまだ、マシなのかなって思っちゃった」

       

      淳「マシって!?」

       

      木綿子「だから、ウチは離婚までいっていないからさ」

       

      淳「そういう事か」

       

      木綿子「その代わり、お父さんがすごく弱くなっちゃったけど」

       

      淳「ははは。そうなんだ」

       

      木綿子「ウチのお父さんとお母さん、前は喧嘩ばかりしていたんだけど」

       

      淳「うん」

       

      木綿子「丁度、お姉ちゃんが就職をして、ウチを出て行った時くらいからかな」

       

      淳「うん」

       

      木綿子「急にお父さん、おとなしくなっちゃってさ」

       

      淳「ふーん」

       

      木綿子「私、お父さんが浮気をしていたのか、はっきりとは知らないんだけど」

       

      淳「うん」

       

      木綿子「今、思えば、喧嘩の原因が浮気だったんじゃないのかなって」

       

      淳「そっか」

       

      木綿子「それで、今、お父さんはお母さんに頭が上がらなくなっちゃったのかも」

       

      淳「なるほど。そうかもしれないな」

       

      木綿子「大竹君はどうして、お父さんが浮気をしていたのが判ったの?」

       

      淳「いや。俺もそれが本当なのかは、よく知らなかったりする」

       

      木綿子「えっ!?どういう事?」

       

      淳「俺がまだ、小さい時の事だったからさ」

       

      木綿子「何歳くらいの時だったの?」

       

      淳「お袋がウチを出て行ったのが三歳くらいの時かな」

       

      木綿子「それじゃ、判る訳ないよね」

       

      淳「だから、俺が言った事は全て、兄貴が言っていた事なんだけど」

       

      木綿子「そっか」

       

      淳「兄貴は、さー」

       

      木綿子「うん」

       

      淳「お袋の事を憎んでいるんだよね」

       

      木綿子「本当のお母さんの方?」

       

      淳「そう。だから、そういう意味では、俺、判らなくて良かったのかなって、思ったりもするんだ」

       

      木綿子「そうだね〜」

       

      淳「ただ、俺はどうしても、新しい母さんが馴染めなくて」

       

      木綿子「本当のお母さんの方がいいの?」

       

      淳「いや、そういう訳じゃないんだ。俺、お袋の事は全然、覚えていないから、比べ様がないんだよ」

       

      木綿子「本当のお母さんとは、ずっと会っていないの?」

       

      淳「いや、離婚が成立してからは、一年に一回、俺に会いに来てくれるんだけど」

       

      木綿子「うん」

       

      淳「俺からしたら、ただのおばさんにしか思えないんだ」

       

      木綿子「そっか〜」

       

      淳「だから、本当は俺も会ったりするのが面倒だったりはするんだけどさ」

       

      木綿子「うん」

       

      淳「兄貴は絶対に会いたがらないから、俺まで会わなくなっちゃったら、可哀相だなって」

       

      木綿子「大竹君って優しい所があるじゃん」

       

      淳「俺を何だと思っていたんだよ!?」

       

      木綿子「あはは。ごめん、ごめん」

       

      淳「それは、ともかく、俺にしたら、仕方がないって感じかな」

       

      木綿子「仕方なしでも、お母さんからしたら、血の繋がった子供なんだからねぇ」

       

      淳「俺が可哀相とか仕方がないとか思っちゃうのも、血の繋がりがあるから、なのかな」

       

      木綿子「そうかもしれないね」

       

      淳「それで、今の母さんに馴染めないのは、血の繋がりがないから、なのかな」

       

      木綿子「それは私には、よく分からないけど」

       

      淳「俺もよく分かんねーや」

       

      木綿子「って、何で、こんな話になったの!?」

       

      淳「そういえば、佐藤の話をしていたんだよな!?」

       

      木綿子「それから、年上がどうのって話になって」

       

      淳「そうだよ〜。それで長谷川が親の浮気の話に」

       

      木綿子「ごめんなさい」

       

      淳「いや、別に構いやしないけどさ」

       

      木綿子「ありがとう」

       

      淳「寧ろ、長谷川から、そういう話が聞けて、より親近感が湧いてきたよ」

       

      木綿子「そうなんだ。でも、私もそうかな〜」

       

      淳「ってか、お近付きになる為の言い訳なのかもしれないけど」

       

      木綿子「うふふ」

       

      淳「これを機に、名前の方で呼びたいなぁ〜なんて」

       

      淳が照れ臭そうに言った。

       

      木綿子「いいよ。その方が私も嬉しいし」

       

      淳「良かった」

       

      木綿子「私もそうした方がいいかな!?」

       

      淳「どっちでもいいよ」

       

      淳は素っ気なく言った。

       

      木綿子「何、それ〜!?」

       

      淳「いや、さぁ。呼ぶ方は、それだけの関係に進展したのかなぁって思って、嬉しかったりするんだけど、呼ばれる方は、ちょっと照れ臭かったりするんだよね」

       

      木綿子「でも、それは私も同じだよ」

       

      淳「そうなんだ」

       

      木綿子「私だって、好きな人との距離が縮まるのは嬉しい」

       

      木綿子が照れながら言った。

       

      淳「そっか」

       

      木綿子「ただ、多分、女の子は呼ばれる事も嬉しいと思う」

       

      淳「なるほど。そう言われると俺も嫌ではないんだけど、」

       

      木綿子「うふふ」

       

      淳「やっぱり、慣れるまでは、ちょっと恥ずかしいかな」

       

      木綿子「淳」

       

      淳「ははは」

       

      木綿子「それより、あっくん、の方がいい!?」

       

      淳「いや、それは勘弁かなぁ。呼び捨てで頼むわ」

       

      木綿子「了解」

       

      淳「それと、人前では、これまで通り、苗字で呼ぶから」

       

      木綿子「そうだね〜」

       

      淳「余り他人から冷やかされたりはしたくないからね」

       

      木綿子「うん。でも、山ノ井君や由佳達にはねぇ」

       

      淳「それは、もう仕方がないというか、今後、俺は余り山ノ井のところへは行かない様にする」

       

      木綿子「そうなんだ」

       

      淳「何か、イベントとかあったら、その時だけ付き合うよ」

       

      木綿子「その方がいいかもね」

       

      淳「長谷川も冷やかされるのは嫌だろ!?って、木綿子も、だった」

       

      淳は照れ臭そうに苦笑した。

       

      木綿子「ふふふ。そうだね〜。男の子に弄られるのは、嫌かな」

       

      淳「そうそう。俺も佐藤や川村に弄られたくないんだよ」

       

      木綿子「同性だったら、まだ、ねぇ」

       

      淳「俺は同性でも山ノ井以外は勘弁かなぁ〜」

       

      木綿子「そっか〜」

       

      淳「俺、弄られキャラじゃないし」

       

      木綿子「それより、もうすぐ、お母さんが帰って来ちゃう」

       

      淳「そっか。じゃあ、今日は此処まで、かな」

       

      木綿子「そうだね」

       

      二人は立ち上がって玄関へ向かう。

       

      淳「んじゃ、また明日」

       

      木綿子「うん」

       

      淳は木綿子の家から出て、自宅へと帰って行く。

       

      木綿子は自室に戻って、窓から外を見る。

       

      少し間をおいてから、淳が建物の中から出て来た。

       

      それを見た木綿子が淳に声を掛ける。

       

      木綿子「またね」

       

      淳は片手を挙げて木綿子に応えた。

       

      そして、そのまま遠ざかって行く。

       

      そんな淳を木綿子が眺めている。

       

      周囲では、すでに多くの蝉が鳴き始めていた。

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